第89回歴史塾「芝山細工の伝統を継承して」芝山師松本香氏

 2018年12月4日(金)は華やかなレリーフ状の彫刻と精微な象嵌を特徴とする日本の伝統工芸のひとつ「芝山細工」を継承する芝山師の松本香さんを講師にお招きしました。


 講師の松本香さんがお持ちになった帯留/秋草です。写真だと大きく見えますがお花の直径が5ミリ程度という細かさです。菊の花びらは夜光で、菊の葉は玉虫貝と染色した象牙と芥真珠を埋め込んでできているそうです。月は銀、露芝は玉虫貝と染色象牙と水牛角の染色したもので、土台は呂色塗に金蒔絵を施しているとか。

 溜め息がでるほど細かい上に工程が多く、木の板に何回も漆を摺り込む木固めに始まり、材料の貝や象牙からの切り出しや彫り、等々、ひとつをつくるのに気の遠くなるような沢山の作業があるそうです。



芝山象嵌/萩(帯留)


 芝山細工は千葉県山武郡芝山町で考案され、幕末から明治時代にかけて、輸出工芸として海外で開催された万国博覧会などにも多数出品され、輸出工芸品として大変な人気を博していたそうです。


 東京と横浜で芝山が沢山作られ、人気の高い美術工芸でしたが、そのほとんどが海外に輸出され、散逸してしまっていて、優れた作品は国内にはほとんど残っていないそうです。

 当時は芝山細工に携わる職人も数多く、工程事に分業して沢山の芝山を製作したそうですが、現在は数人の職人を残すのみとなっており、ひとりで沢山の工程を習得する必要があるため、技の継承にとても時間がかかってしまうそうです。


 初めてみる芝山細工の帯留の細やかさに感嘆したこの日の歴史塾の参加者は会員14名一般5名の計19名でした。ホテルグランドヒル市ヶ谷/オリオンの間が会場でした。

日本通

わくわくする楽しさで歴史にアプローチ! 日本人とは何か……。 日本通の主宰する『わくわく歴史塾』では、この問いかけを携えて、 先人たちの生きる姿や歴史を身近に引き寄せます。 そこから生きる知恵や勇気を獲得し、これからの国際社会の一員として、 日本人の姿を見つめ直していく歴史講座を毎月開講中です。

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